『あなたへ』
先月NHKで高倉健さんのドキュメンタリーを見て
『あなたへ』を観たいと思ったもののついつい後回し。
公開1ヶ月以上経ってようやく観て来ました。
大滝秀治さんのまさかの訃報に遺作となったこの作品
「やっぱりスクリーンで観ておかなくては!」そう思ったからでした。
予想以上に素敵な作品でした!
きっと淡々として地味な映画なんだろうなと
勝手に想像していましたが
思った以上に心に沁みました。
妻の遺言で妻の故郷、長崎の平戸に向かう一人旅
その途中で出会う様々な人とのからみ、
そして妻との思い出が交錯しながら
旅が進んでいく。
なぜ妻がそんな遺言を残したのか・・・
割り切れない思いと
朴訥とした語り口とは裏腹に
亡き妻を想う夫(健さん)の恋心?がひしひしと伝わって来るのです。
ドキュメンタリーでも取り上げていた平戸の写真館のシーン
メイキングですでに知っていたにも関わらず
たった一言の「ありがとう」が本当に心に沁みました。
そして、もの静かな健さんとは対照的な旅の途中で出会った人達。
彼らのにぎやかさが映画にメリハリを与えてくれて良かったのかも。
役者としてのビートたけしは上手いのか下手なのか
いつもよくわからないけれど
健さんとのぎこちない会話が結構よかったりしました。
そして大滝秀治さん、
実にさりげないのにグッと来てしまうのです。
存在そのものが全てに深みを与えられるって本当に素晴らしいと思います。
最期まで役者として活躍されたことは本望だったのではないでしょうか。
素晴らしい多くの作品をありがとうございました。
そして、健さんに愛され尽くす妻役の田中裕子さんもとても良かったです。
どこかはかなげでさみしそうな独特の雰囲気。
特に彼女が歌うシーン、切なかった・・・
その一方で結婚してからの夫婦での会話ではとっても素敵な笑顔を見せてくれる。
この二人のキャスティングは実にハマっていたと思います。
こんな素敵な夫婦、あこがれてしまいますね~(笑)
妻への想い、愛に満ちあふれた
心がじ~んと温まる素敵な映画で
もっと早く観てみんなに勧めれば良かったと思います。
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