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2012年10月31日 (水)

『終の信託』

尊厳死をテーマとした『終の信託』

あの『Shall We ダンス?』の二人が再び共演と言う事で話題になっていますが

そんな興味本位の気分は即一掃されました。

患者、江木(役所広司)が希望し、家族に説明の上行った延命治療の中止。

が、後になって医師、折井(草刈民代)は殺人罪で訴えられてしまう。

書こうとすると、どんどんネタバレになってしまうので

今日はほぼ感想のみにします。

静かにドラマが進んだ前半

そして問題の延命治療を中止する山場。

そして取り調べで検事(大沢たかお)と折井(草刈民代)の壮絶なバトル。

この二人のやり取りはすごかったです。

原作の小説に惚れ込んだ周防監督のこの仕掛け

すごいと思いました。

この作品は難しい問題がめい一杯詰め込まれていたように思います。

延命治療をどうとらえるのか。

医療が進み延命治療によって取りあえず「死」を引き延ばすことが医療なのか。

患者本来の寿命を尊重すること医療の線引きの難しさ。

患者の意思を尊重して納得した上でもいざ行う時の心の負担。

そして医師と家族の意思疎通の難しさ。

更には真実がどんどん偏った形で検事の狙いの方向に進められていく恐ろしさ。

周防監督の前作『それでもボクはやってない』でも感じた恐ろしさに通じるものがあります。

それにしても、役所広司扮する江木の最期のシーンも壮絶でした・・・

相当リアルで、思わず父の事を思い出してしまい苦しかったです。

かなり重いテーマなので観終わった気分は決してよくはないけれど

それでも素晴らしい作品だと思うのでぜひ観て欲しいです。

特に延命治療の選択は意外に迫られる機会がありそうなので

(父の時も人工呼吸器をつけるか否か、考えておいて欲しいと医師に言われました)

自分だったらどうしたいか、

あるいは家族同士でお互いの考えを話し合ってみるきっかけにしたらいいと思います。

映画そのものとしてもかなり見応えあります!!

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