『沈黙 サイレンス』
『沈黙 サイレンス』強烈な映画でした。
遠藤周作さんが原作だそうですが全く知らず。
ただ、キリシタン弾圧の歴史ものと言うことと
キャスティングに惹かれて観ようと思っていただけなので
そんな自分が恥ずかしくなってしまいました。
何より驚いたのが、あのマーティン・スコセッシ監督の作品だったこと。
どうりで外国人俳優のキャスティングが豪華だと思った事と
徹底したリアルさ、こだわり。
それらは全て、監督のこの作品に賭ける想いの深さだったのだと・・・
豊臣秀吉以降キリシタン弾圧が始まってもなお
信仰を捨てなかった人々。
それに対して、信仰を捨て日本人に帰化した宣教師。
彼を師としていた宣教師が真偽を確かめるため
命がけで長崎にやって来る。
タイトルの『沈黙』とは、
神の“沈黙”のことでした。
「なぜ、こんな事が起こってしまうのか?」
「どうしたらいいのか?」
「命」と「信仰」どちらかを選べと言われた時
どうしたらよいのか・・・
いくら神に問いかけても、神はただ沈黙するのみ。
何も答えてはくれない。
自ら出した答えは正しかったのか?間違っていたのか?
「命」と「信仰」、この究極の二者選択。
信仰を捨てた者。最後までしてなかった者。
捨てては後悔しつつ、何度も繰り返し迷い葛藤し続ける続ける者。
彼らの苦しみがヒシヒシと伝わり
辛過ぎる思いで観ていました。
鎖国時代、国を守るため異国の侵略に脅え恐れ
徹底したキリスト教弾圧を行っていた日本。
過去のこととは言え、あまりのひどさやるせなさ。
当時の人々の苦しみが
今、トランプ大統領によって排除されようとしている
異人種、異宗教の人々の痛みと重なり
本当に悲しくなりました・・・
あまりに深いテーマなだけに深く考えさせられます。
最後に!
リアルな映像表現のすごさと、
それに応えた役者さんたちの見事さに拍手です!
弱き者の代表者キチジローの窪塚洋介。
久しぶりに観ましたが見事なキチジローっぷりでした~
そして、モキチ役の塚本晋也さん。
からだの張り方が半端無かったです!!
まさに役者魂を見た!という感じ(拍手)
とても重いテーマの作品ですが、
多くの人に観てもらいたいと思いました。
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